Rheem
要約
世界的な複合ブランド企業である同社は、Rheem オーストラリア、Rheem チリ、Solahart オーストラリアの各部門のニーズに対応できる DAM システムを必要としていました
各部門に分かれている Rheem の各チームは、アセット整理と共有プロセスを合理化し、信頼できる情報源を一元化し、アクセスを管理できる DAM ソリューションを必要としていました
Acquia DAM および PIM(アセット、エントリ、インサイト、ポータルの各アプリケーションを含む)
Rheem オーストラリア、Rheem チリ、Solahart オーストラリアは、それぞれ固有のニーズに最適な方法で Acquia DAM を活用して時間を節約し、コンテンツチームは新しいコンテンツの生成に集中できるようになりました
クライアント
1925年に設立された Rheem は、エネルギー効率に優れ、持続可能な未来を支えるイノベーションを提供するグローバルリーダーです。Rheem オーストラリアは、給湯、プールおよびスパ用暖房、再生可能エネルギーソリューションを製造しています。
背景
Rheem (オーストラリアおよびチリ)と、Solahart オーストラリアにおけるマーケティング活動は、複数のブランドのウェブサイト、e コマースサイト、オンライン、デジタル広告、ソーシャルメディア、さまざまな流通・販売チャネルに及んでいます。
パンデミックがeコマース需要を牽引
新型コロナウイルスの流行により多くのオーストラリア人がオンラインショッピングに注目する中、Rheem オーストラリアのマーケティングチームは、デジタルアセットを管理・配布する時代遅れの方法から、より効率的で最新のソリューションに移行することが必要だと考えました。「以前は、製品情報を提供する需要はほとんどありませんでした。しかし、e コマースが重要なチャネルとして台頭するにつれ、e コマース用のデータを加盟店やベンダーに効率的に提供する必要があることが明らかになりました」と、Rheem オーストラリアのアシスタントプロダクトマネージャー、ジャネット・ニエミ氏は述べています。
Rheem オーストラリアが必要としていたのは、使いやすさ、柔軟性、適応性を備えたシステムでした。「私たちは、さまざまな国のマーケティング担当者と協力しており、それぞれの固有の要件に対応できる DAM システムが必要でした」と、ニエミ氏。「また、複数の製品バリエーションのデータを効率的に取得し、整理するための何かが必要でした。当社では、製品の階層構造に親子構成を採用しています。例えば、基本モデルの給湯器と、電源方式(電気やガスなど)やサイズなどが異なる多数のバリエーションがあるのです。このような製品情報の管理は非常に大変でした」。
ディーラー各社がアセットへのアクセスを必要としていた
Rheem オーストラリア傘下の再生可能エネルギー企業である Solahart では、同社が所有するデジタルアセットを管理できるプラットフォームを求めていました。Solahart の広告・プロモーションマネージャーであるカーラ・ヤコブセン氏は、「独立系ディーラーが全国で私たちの製品を販売しており、また彼らはその地域での独占権を有しているため、私たちは他の部門とは少し異なる仕事をしています。私たちは全国レベルで計画されたマーケティング活動で彼らをサポートしています。さらにディーラー各社は、それぞれの地域でローカルな広告も企画しています。このプラットフォームを使えば、そのために必要な最新のアセットに簡単にアクセスできるようになるんです」と話します。
消費者への直接販売アプローチ
他の地域とは異なり、チリでは消費者に直接製品を販売しています。「Rheem LATAM は、e コマースや実店舗での小売が盛んな消費者直販型のマーケットです。ですから、私たちのデジタル・プレゼンスは強くある必要があります」と、Rheem チリのコンテンツスペシャリスト、サラ・チンチラ・マルティネス氏。
課題
膨大な単発の依頼に対応
デジタルアセットの管理に対する断片的で分離したアプローチは、さまざまな困難をもたらしました。「製品データの管理にはエクセルスプレッドシートを活用するのが一般的でした。デジタルアセットや 製品情報は Dropbox や E メールで共有していましたが、製品情報管理(PIM)データはあまり提供していませんでした。しかし、新型コロナウイルスの流行により、代理店から技術的な製品データを要求されるようになりました」とニエミ氏は振り返ります。
「リクエストに対応するため、30から40列のデータが入った大きなエクセルのシートを用意していました。例えば、販売代理店から製品の高さ、幅、奥行きについて問い合わせがあり、私たちはそのデータを抽出して、エクセルのスプレッドシートで販売代理店に製品情報を提供していました。この方法は、1つか2つのリクエストに個別に対応するには十分でしたが、販売業者からは『ほとんどの製品モデルについて25列のデータが必要だ』と言われ、大幅に時間と手間がかかるようになりました。私たちは何千ものセルのデータを常に扱い、大量の単発リクエストに対応していました」とニエミ氏。
アセットに関する情報が複数の情報源に分散しているということは、信頼できる唯一の情報源がないということでもあります。「販売代理店が情報を要求してきた場合、私たちはウェブサイトのリンクを送り、それが特定の製品に関する私たちの情報であることを伝えます。あるいは、PDF のような仕様書や製品パンフレットを送り、代理店は必要な情報を抽出する必要がありました」とニエミ氏は言います。
管理されたアクセスを提供
Solahart オーストラリアは、別の問題にも直面していました。ヤコブセン氏は、製品情報、画像、その他の重要な情報をディーラーや代理店と共有する方法を求めていましたが、すべてのアセットや ファイルに自由にアクセスできるようにしたくはありませんでした。「以前は、すべてをイントラネットのウェブサイト上に置いていたため、情報の種類ごとに異なるアクセスレベルを設定することができませんでした」と彼女は言います。
サードパーティのショッピングサイトに優れたコンテンツが必要だった
一方、Rheem チリも独自の課題に悩まされていました。「消費者に直接販売するため、サードパーティのショッピングサイトや小売店向けに、良質な製品写真と説明が必要でした。しかし、当社のアセットを簡単かつ効果的に共有する方法が必要だったのです」とチンチラ・マルティネス氏は語りました。
ソリューション
Rheem は、Acquia DAM によって数々の課題を克服することができました。
シームレスな PIM/DAM 統合
ニエミ氏とプロジェクトチームは、同社のニーズを満たす DAM を見つけるために、さまざまなベンダーと面談しました。「私たちが Acquia DAM を選んだ理由は、PIM と DAM のシームレスな統合が可能だったからです。他の多くのベンダーはそのようなものを提供しておらず、DAM 側に強いか、PIM 側に強いかのどちらかでした。しかし、私たちは PIM と DAM がシームレスに連携できるプラットフォームが必要でした。」とニエミ氏。
「B2B ビジネスとして、私たちはデジタルアセットと製品情報をベンダーや 販売業者(マーチャント)と共有しています。Acquia DAM は、そのプロセスを合理化してくれました。親製品とそのすべてのバリエーションに関する情報を簡単に作成、整理、共有できるのです。データをアップロードして流通チャネルを作成し、その流通チャネルからチャネルパートナーや販売店にデータを提供することができるのです」。
より高い柔軟性とコントロールを実現した Solahart オーストラリア
「Acquia DAM は代理店とディーラーで異なるアクセスレベルを設定できるので、情報とユーザータイプを分けることができています。Acquia DAM の主な利点は、新しいアセットが作成されるたびに E メールを送る必要がないことです。最新のアセットが常に最初に表示されるので、販売店は新しいアセットが追加されたことが分かります。そのため、リクエストの頻度が減りました。可能な限り簡単にできるように、初心者向けの操作方法をまとめたドキュメントを作成し、新しいユーザーが DAM に登録する際には、アセットの検索と共有の方法を理解できるようにしています。すべてのアセットにはタグが付けられているため、検索機能は非常に優れています」とヤコブセン氏。
「私たちは DAM システムで素晴らしい成果を上げています。ディーラーや代理店向けに70以上のログインがあり、現在は設置業者向けの新しいアクセス権をテスト中で、関連する設置やトレーニングの資料だけを見ることができるようになっています」。
Solahart はまた、機密性の高いトレーニングアセットを保護する方法も見つけました。「今では、ユーザーがポータルでアセットを見ることはできても、ダウンロードや共有はできない状態で共有することができます。私たちのネットワークにしか公開されない特定のトレーニング資料を共有するための最適な方法です」とヤコブセン氏は続けます。
彼女は、アセットを簡単に共有できる Acquia DAM のポータル機能も高く評価しています。「最近、DAM サイトからセルフサービスのポータルを立ち上げました。製品を発売するときに、技術的な説明やビデオなど、さまざまなデジタルアセットを含むポータルを作成します。これにより柔軟かつシンプルな方法で、かつブランドイメージの整った管理された環境下で、アセットやコンテンツを共有することができるようになりました」。
Acquia DAM が Rheem チリのプロセスを合理化
また、Rheem チリは Acquia DAM を活用し、小規模から大規模の小売パートナーまでより効果的にサービスが提供できるようになりました。「私たちは、Acquia DAM を使って広告素材やその他のアセットを共有しています。1 ヶ月間のキャンペーンだけでなく、長期的なアセットにも使用していて、ユーザーはその利便性と使いやすさを高く評価しています。社内外のユーザーを合わせると、DAM ソリューションにアクセスしているのは100人くらいでしょうか。e コマース・チームは毎日、コマーシャルチームは毎週利用しています。私は常にインサイトでダウンロード数をチェックしています。コンテンツをアップロードしているのは私だけですが、誰もがすべてダウンロードし、共有することができるようになっています」と、チンチラ・マルティネス氏は話してくれました。
「私たちは、取引先の中小企業がポータルを使用できるように設定しました。ポータルには、すべてのコンテンツがカテゴリーや製品の種類などによってセグメント化されています。以前は、"この写真が欲しい "とか、"このアセットを送ってほしい "といった依頼が多く、情報を共有するために WeTransfer やその他いろいろなツールを使っていました。今ではリクエストをもらったら、ポータルを見せてアクセスコードを伝え、何か問題があればまた私に連絡するよう伝えています。小さなハードウェア販売店や小規模な小売店にとっては、とても便利です」。
「大手小売店は、独自の B2B サイトを持っています。エントリー機能を使えば、小売業者は当社の製品スプレッドシートをダウンロードできますし、アップロード作業も以前よりずっと簡単になりました」と彼女は話します。
結果
3つの拠点それぞれのチームが、Acquia DAM を使用することで大きなメリットを実感しました。
時間の節約
「Acquia DAM のおかげで、アセットリクエストに対応する時間が短縮されました。これまではすべてのアセットが混在していましたが、Acquia DAM を使うことで、アセットに独自のドメインを持たせることができます」と、ニエミ氏。
チンチラ・マルティネス氏は、Acquia DAM がアセットをよりよく整理し、プロセス合理化に役立っていることについて次のように語っています。「Acquia DAM によって、時間を大幅に節約することができるようになりました。コンテンツのリクエストは以前ほど来なくなりましたし、リクエストが来ても DAM サイトに誘導し、必要な情報を見つけてもらうことができます。エントリーによって、コンテンツ/説明/スペックなどの情報を大手小売店のパートナーと共有するのが簡単になりました。必要なものをすべてダウンロードし、名前を変えて彼らに送ったり、彼らが希望するプラットフォームに直接アップロードしたりするだけで済むのです。」と彼女は続けます。
一つの情報源
ニエミ氏は、Acquia DAM がプロセスの合理化に役立っていることを高く評価しています。「私たちにとって最大の利点は、DAM システムがバージョン管理とアクセシビリティに役立っていることです。重要な製品情報を引き出すエクセルシートを加盟店に提供する際、唯一の情報源から引き出したものであることがわかります。ベンダーが e コマース・サイトに必要とするデータ、技術パンフレット、製品図面、プロモーション、デジタル画像の提供において、Acquia DAM のおかげでプロセスが合理化されました」。
さまざまな小売業者向けに簡単に調整できるフォーマット
また、チンチラ・マルティネスはこう付け加えます。「通常私は、技術的なスプレッドシート、データシート、パンフレットなどを年に1、2回更新しています。そして、すべてを当社のサイトにリンクさせているので、DAM システムで更新すると全てが更新されるのです。これは素晴らしいですね。おかげで時間を大幅に節約できています。私が最も気に入っている機能のひとつは、アセットのサイズ変更やフォーマット変更が簡単にできること。例えば、2000×2000の画像が必要な小売店もあれば、1000×1000の画像が必要な小売店もあります。Acquia DAM のおかげで、すべてのフォーマットを簡単に設定できます」。
昔のコンテンツを共有するだけでなく、新しいコンテンツを作ることに集中する
また、Acquia DAM のおかげで、Rheem チリのコンテンツチームが最も得意とすること、つまり魅力的な新しいコンテンツを生み出すことに集中できるようになりました。「Acquia DAM の管理は簡単で、新バージョンをアップロードすることで、すべてを最新の状態に保つことができます。私はコレクションを多用しており、カテゴリー、製品の種類、ブランドごとにまとめ、200から300のコレクションを管理しています。例えば、全商品のファーストビューを集めたコレクションがあれば、別のコレクションには商品のアイコンを入れています。Acquia DAM の管理はとても簡単なので、多くの時間を費やしていたコンテンツの共有だけでなく、新しいコンテンツの作成やコンテンツの更新など、他のことに集中することができています」とチンチラ・マルティネス氏は述べました。
社内の連携を強化し、成果を上げる
Acquia DAM の成功に加え、将来的にさらなるインテグレーションも計画しています。「アクイアは非常に先進的で、常に新しいことを模索しており、それが DAM ベンダーとして気に入っているもう一つの理由です。近い将来、私たちのウェブサイトやパートナーサイトとの連携に取り組む予定です。また、今後導入される AI ツールを統合する方法も検討するつもりです」とニエミ氏は締めくくりました。