ホロジック

クライアント

ホロジック社は、早期発見・早期治療を通じて、女性とその家族、そして地域社会の健康と幸福の向上に取り組む世界的な医療技術革新企業です。乳がんを早期に発見するための世界初の商業用3D マンモグラフィ・システムの開発、子宮頸がん、性感染症、呼吸器疾患の検査におけるリーダーシップ、子宮筋腫、子宮異常出血、小児手術のための低侵襲手術技術など、その優れた技術は多岐にわたります。

背景

主要サイトである Hologic.com について、より現代的で洗練されたデジタルアプローチで医療を提供し、同時にグローバルで統一されたウェブプレゼンスを作りたいと考えていたホロジック。ビジネス上の主な目的は、デジタル製品にかける総費用を削減すると同時に、顧客に一貫性のある体験を提供することでした。ホロジックは、コストや技術的な負担、事業部門と各地域の摩擦を軽減しながら、各部門が一貫してブランディングされ、コンプライアンスに準拠した形で製品を紹介できるような、単一のデジタルハブを必要としていました。

課題

ホロジックは、最新のデジタルアプローチを導入するにあたり、多くの課題に直面していました。地域ごとに完全に独立したコーポレートサイトがサイロ化しており、これを共有のデザインシステムと継続的なサポート戦略に集約したいと考えていました。また、社内の各チームが必要に応じて構築した膨大なマーケティング用マイクロサイトの管理にも頭を悩ませている状態。これらのサイト群はオーナーにとって管理やアップグレードが難しく、維持費がかさみ、ブランディングや法的要件に適合しなくなるリスクも常に抱えていました。

加えて、検索エンジンのランキングにおいて、お互いのマイクロサイトやメインのコーポレートサイトが直接競合するという状況でした。バラバラのマイクロサイトを作成・管理することは、非常にコストがかかるだけでなく、1つのサイト、部門、地域で使用する単発の機能を作成するのに骨の折れる作業でした。リードは複数のウェブプロパティから届くため、マーケターはリードを特定し、質を高めるための明確な手段がありませんでした。また、顧客は多くのタッチポイントを持っていましたが、信頼できる情報源への明確なルートがない状態だったのです。

ソリューション

ホロジックとパートナーの FFW は、このプロジェクトに戦略的に取り組みました。将来を見据えて、プロダクトオーナー、各部門のマーケティングリーダー、マーケティングコミュニケーションチームのコラボレーションを、地域レベルでもグローバルレベルでも促進する方法を考えたのです。プロジェクトの立ち上げ当初から、各所からの要求や要望が満たせるようグローバルに活動する部門横断的なチームがサポートし、製品への機能の実装を確実にしました。

FFW はホロジックの既存 Drupal サイトを活用してマルチサイトシステムを構築し、コーポレートサイトのコードベースと継続的なメンテナンス費用を共有。また、独自の Site Studio コンポーネントとヘルパーを作成することで、社内でページの作成と継続的な管理を可能にし、代理店への依存を劇的に減らし、これらのサイトを統一してブランド化する能力を拡大しました。再利用可能な Site Studio コンポーネントにより、一貫したブランディングアプローチを実現。コンポーネントレベルで色、フォント、スタイルが定義されているため、Site Studio ではドラッグ＆ドロップで一貫性のあるブランディングされたコンテンツをすばやく作成できます。

FFW やその他の代理店に所属するデザイナーは、ホロジックのデザインシステムと Site Studio  の UI ツールキットを出発点として、新しいコンセプトやコンポーネントを迅速かつ効果的に作り上げることができるようになりました。FFW の開発者は、Site Studio のコンポーネントビルダー、コンテンツテンプレートビルダー、マスターテンプレートビルダーを使用して、デザインや仕様書を構造化されたコンテンツテンプレートやコンポーネントにすばやく変換します。Site Studio のスタイルガイドマネージャーにより、フロントエンド開発者のスタイリングも楽に行うことができるのです。

サイトの再構築から始まったこのプロジェクトは、グローバル規模でホロジックに利益をもたらす取り組みとして継続中です。Site Studio を使用したホロジックのコーポレートサイトの再構築は、マーケティング用マイクロサイトの統合というアイデアの共有につながりました。この取り組みが功を奏し、ホロジックのほとんどの地域コーポレートサイトをマルチサイト・プラットフォームへ移行する計画や、マーケティング用マイクロサイトのこのネットワークへの統合が予想以上に早く進みました。この2年間で100以上のマイクロサイトが統合・アーカイブ。2024年末までには、ヨーロッパと北米にあるホロジック社のコーポレートサイトもこの取り組みに加わる予定です。

結果

FFW とホロジックは共同でアメリカのコーポレートサイトを再構築し、アップグレード。また、各国のサイト所有者の要望により、カナダ、EMEA 9カ国、APAC 5カ国のウェブサイトを、Acquia Site Studio を使って一元化した新しいハブに移行しているところです。

コンテンツや機能の開発、シンジケーション、コード更新のためにアメリカのサイトを活用。このハブには包括的な開発キットが含まれているため、ホロジックの各事業部門は技術的負担を負うことなく、ブランド準拠の高機能サイトを迅速かつ簡単に立ち上げることができます。それぞれのサイトや部門が機能や特徴を共有することで、高い目標を達成するための柔軟性を確保し、総所有コストを大幅に削減することができます。同時に、組織全体のコンテンツ・ガバナンス戦略により、コンテンツと機能の両面で拡張性のあるプラットフォームを実現しています。

このアプローチの結果、複数の国やキャンペーンのサブサイトを持つ地域のハブを快適にサポートできる包括的なソリューションが生まれました。各サブサイトは、より広範なホロジックエコシステムの共通のブランディング、構造、機能セットを利用しながら、自律的にコンテンツを管理することができます。これにより、北米、EMEA、そして最終的にはカナダや APAC 地域全体でデジタルコンテンツを共有することができるようになりました。 

この戦略により、地域間のコンテンツ生成と共有が可能になり、ローカライゼーションや翻訳ワークフローを使用して、各国サイトのコンテンツの管理やシンジケーションも可能に。コーポレートサイトから共有されるコンテンツやコードのシンジケーション戦略に加わることで、各国サイトは同じ構造を強いられることなく、ハブが提供するすべてのメリットを享受することができます。

「このプロジェクトの成功は、ビジネス全体に波及効果をもたらしています。管理が難しい高額でサイロ化されたウェブサイトの集まりから、更新、コンプライアンス、ブランディングを維持できる合理化されたサイトのネットワークに移行できたのは、アクイアのツールのおかげです。 しかも、ほとんどの作業が社内で完結します。この移行によるコスト削減はまだ始まったばかりですが、ブランド化されたデジタル・エコシステムと直感的なユーザー・エクスペリエンスを構築する価値は計り知れません」と、ホロジック社のデジタル戦略・デザイン担当リード、ジェニファー・スノー氏は話してくれました。